トラック運転手はきついのか|「やめとけ」と言われる理由に社長が正直に答えます

運送会社 経営者/ドライバー20名を雇用
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※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。仕事内容は会社により大きく異なります。

地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。

「トラック運転手 きつい」
「トラック運転手 やめとけ」

——そう検索して、ここにたどり着いた方が多いと思います。

先に言っておきます。この記事では「そんなことないですよ!」とは書きません。

きつい部分は、正直にきついと書きます。そのうえで、実際はどうなのかをお伝えします。

先に認めます。きつい部分は、あります

現場から

正直、きついのは「体力」と「拘束時間」です

雇っている側として、この仕事のきつさは、この2つに集約されると思っています。

  • 体力
  • 拘束時間の長さ

ここを「大したことないですよ」と言うつもりはありません。実際、大変です。

特に体力面で一番こたえるのは、荷物の積み降ろしです。運転そのものより、こちらの方が体に来ます。

そして天候に一番左右される仕事でもあります。真夏の炎天下でも、真冬の雪の日でも、雨でも、荷物は運ばなければなりません。空調の効いた部屋で働く仕事とは、そこが決定的に違います。

でも、意外な声もあります

ここからが本題です。

現場から

「軽い筋トレになって、健康的でいい」と言う人もいます

意外に思われるかもしれませんが、うちのドライバーの中には「体を動かすから、健康的でいいですよ」と言う方がいます。

デスクワークで一日中座っているより、体を動かしている方が調子がいい——そういう感覚だそうです。

もちろん、全員がそう思っているわけではありません。ただ、「きつい」と感じるかどうかは、人によってまったく違うということです。

同じ仕事を、同じ会社でやっていても、「しんどい」と言う人と「ちょうどいい」と言う人がいます。

【意外】人間関係は、むしろラクです

ここは、あまり語られない部分だと思います。

現場から

営業所を出てしまえば、あとは一人です

人間関係のいざこざが、まったくないとは言いません。人が集まればゼロにはなりません。

ただ——ドライバーは基本的に一人で運行します。

朝、点呼を受けて、営業所を出る。そこから先は、ずっと一人の時間です。

上司が横にいることもない。同僚と一日中顔を合わせることもない。誰かに気を遣い続けることもない。

前職で人間関係に疲れて入ってくる方は、ここが一番ラクだと言います。

「人と関わるのが苦手」——それは、この仕事ではむしろ向いている条件です。

「やめとけ」と言われることについて

正直に答えます。

現場から

一部は当たっています。でも、悪い選択ではないと思います

ネットで言われていることは、確かに一部当たっていると思います。体力も要りますし、拘束時間も長い。休みも多くはありません。

そのうえで、私の考えを書きます。

運転免許があって、体力に問題がなければ、悪い選択ではありません。

理由は2つあります。

① ある程度の収入は、確実に得られる
特別な資格や学歴がなくても、生活していける収入にはなります。

② 研修期間がそれほど長くない
これは意外と知られていません。他の業種だと、一人前になるまで何年もかかることがあります。でもこの仕事は、ほぼ即戦力として働き始められます。

つまり——やり直しが利く仕事だということです。何かの事情で仕事を失った方、40代・50代から転職する方にとって、これは大きな意味を持ちます。

この仕事の、いいところ

きつい話ばかりでは公平ではないので、良いところも書きます。

現場から

うちの場合、時間に追われることがありません

これは会社によりますが、うちの仕事内容だと「時間に追われて作業する」ということが、ほとんどありません。

のんびり配送したい人は、のんびり回る。早く帰りたい人は、テキパキ回って早く終える。

それぞれが、自分のペースでやってくれています。

「常に急かされる」「誰かに見張られている」——そういう働き方が苦手な方には、この自由さは大きいと思います。

ただし正直に付け加えると、これは仕事内容によります。時間指定が厳しい荷物、分刻みのルートを回る仕事なら、まったく話が変わります。だから会社選びが大事なんです。

若い人が入ってこない、本当の理由

業界の高齢化はよく話題になります。でも、その理由は「きついから」だけではありません。

現場から

一番大きいのは、実は「免許の問題」です

私が一番大きいと思っているのは、免許制度の変更です。

昔は、普通免許を取れば4トントラックに乗れました。だから若い人が「とりあえず入ってみる」ことができたんです。

ところが今は違います。2017年3月12日以降に普通免許を取った方は、車両総重量3.5トン未満までしか運転できません。

つまり、今の若い人は、追加で免許を取らないとトラックに乗れないということです。これが入口を狭くしています。

もう一つは、正直に言ってイメージの問題です。「きつそう」「汚れそう」「休みがなさそう」——実態以上に、悪いイメージが先行していると感じます。

私たち業界の側にも、それを変えきれていない責任があると思っています。

免許の詳しい話は未経験からトラック運転手になる完全ガイドにまとめました。免許を取った時期によっては、今の免許のまま働けることもあります。

では、なぜうちは10〜15年続くのか

うちのドライバーの平均勤続年数は、10〜15年ほどです。「きつい仕事」なら、こうはならないはずです。

現場から

一番の理由は、たぶん「仕事内容」です

私は、一番大きいのは仕事内容そのものだと思っています。

きつい仕事、毎日追われるような仕事ばかりしていたら、人はどんどん疲弊していきます。どんなに給料が良くても、続きません。

だからうちは——

  • 休憩をしっかり取ってもらう
  • 配送を焦ってやるような仕事は、中心に据えない

これを意識してきました。

そしてもう一つ、これは自分で言うのも変ですが——

私が、わりと温厚な性格なんだと思います。会社のルールで厳しく縛るということを、あまりしていません。

社員にとっては、そういう環境が働きやすいのかもしれません。

逆に言えば、「きつい仕事」なのではなく、「きつい会社」があるということです。同じトラック運転手でも、会社が違えば別の仕事になります。

最後に。自分の子供が「なりたい」と言ったら

この記事を書くにあたって、自分に問いかけてみました。

現場から

正直な答えを書きます

反対はしません。

でも——正直に言うと、「他にやりたいことは、ないのか」と思ってしまうと思います。

これが、20年この業界にいる人間の、嘘のない気持ちです。

この仕事を否定しているわけではありません。私はこの仕事で家族を養ってきましたし、社員も長く働いてくれています。誇りもあります。

それでも、親としては——もっと体が楽な仕事、もっと将来性のある道を、まず考えてほしいと思ってしまう。それが本音です。

だから、この記事でも「おすすめです!」とは書きません。

私が言えるのは、こういうことです。

向いている人には、本当に良い仕事です。一人の時間が好きで、体を動かすのが苦にならず、淡々と続けられる人。そういう人にとっては、これほど合う仕事もそうありません。

でも、全員に勧める仕事ではない。それだけの話だと思っています。

まとめ:きついかどうかは、人と会社で決まります

この記事の要点

  • きついのは事実。特に「体力」と「拘束時間」
  • 体力面で一番こたえるのは積み降ろし。天候にも左右される
  • ただし「筋トレになっていい」と言う人もいる。感じ方は人による
  • 人間関係はむしろラク。営業所を出れば一人
  • 免許と体力があれば、悪い選択ではない。研修が短く、やり直しが利く
  • 若い人が入らない理由は「免許制度」と「イメージ」
  • 長く続くかどうかは、仕事内容と会社の雰囲気で決まる

「トラック運転手はきついか」の答えは、「会社による」です。

同じ職種でも、荷物・ルート・荷主・社風で、まったく違う仕事になります。だから——職種で判断せず、会社で判断してください。

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※本記事は筆者の経営者としての経験に基づく個人的見解です。仕事内容・労働条件は企業により大きく異なります。免許制度については改正される場合がありますので、最新情報は教習所・各都道府県の公安委員会等でご確認ください。体力・健康面の判断については医師にご相談ください。