トラック運転手の仕事はなくなるのか|20年やってきた社長が語るこれから
※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解であり、将来を保証するものではありません。
地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。
この仕事を考えている方から、必ず聞かれることがあります。
「自動運転で、この仕事なくなるんじゃないですか?」
40代・50代から転職する方にとっては、切実な問題だと思います。今から入って、10年後に仕事がなくなっていたら困りますから。
20年この業界にいる立場から、正直に答えます。
結論:なくならないと思っています
私は、なくならないと思っています
自動運転でトラック運転手の仕事がなくなるとは、私は思っていません。
これは希望的観測ではなく、日々現場を見ていての実感です。
なぜそう思うのか(現場の実際から)
理由は、このサイトで書いてきた「実際の仕事内容」を並べれば分かります。
ドライバーの仕事は、運転だけではありません
- うちの積み降ろしは基本的に手作業です(きついのかに書きました)
- 荷主先ごとに停める場所も待つ場所もルールが違います(荷主先で嫌われるドライバー)
- 検品も梱包も、人がやっています
- 1日2件〜20件、細かい配送先を回ります(1日の流れ)
高速道路をまっすぐ走る部分は、いずれ機械がやるようになるかもしれません。
でも——荷物を降ろして、検品して、指定の場所に置いて、担当者に挨拶する。この部分を機械が全部やるようになるには、まだかなりの時間がかかります。
「運転する仕事」ではなく「荷物を届ける仕事」なんです。ここが、外から見えにくいところだと思います。
正直に、うちのIT化の状況も書きます
「これからDXだ」と言われている業界ですが、実際はどうか。うちの現状を隠さず書きます。
うちは、IT化はまだ進んでいません
正直に言うと、うちはIT化を進められていません。
デジタコ(デジタル式の運行記録計)も入れておらず、日報は今でも手書きです。かなりアナログな会社です。
ただ、自動点呼については、少し調べ始めています。
まだ導入はしていません。「調べている段階」です。ここも正直に書いておきます。
つまり——業界のIT化は、言われているほど速くは進んでいません。少なくとも、うちのような小さな会社では。
これは、応募する方にとっては安心材料でもあります。「機械に置き換えられる」のは、そんなにすぐの話ではないからです。
【本題】20年で、確実に働きやすくなりました
ここが、この記事で一番お伝えしたいところです。
「これからどうなるか」を考えるには、「今までどうだったか」を見るのが一番確かです。
この20年で、はっきり働きやすくなっています
私がこの業界に入ってから20年ほど経ちますが、ドライバーの働きやすさは、はっきり良くなっています。
具体的には、この3つです。
- 荷降ろしの効率化
- 拘束時間の管理
- 給料面
そして、これからももう少しドライバー目線で働きやすくなっていくと思っています。
これは、想像ではありません
20年前と今を比べて、実際にこう変わりました。
この20年で起きたこと
- 拘束時間に上限ができ、会社が時間を管理するようになった
- 荷降ろしの機械化・パレット化が進み、体への負担が減った
- 運賃が上がり、給与に還元できる余地が出てきた(2024年問題から2年)
- 2025年6月からは熱中症対策が会社の義務になった(夏は本当にきつい)
方向は、間違いなく良い方に向かっています。
「昔はもっとひどかった」という話をしたいのではありません。これから入る方にとっては、20年前より確実に条件が良い——それが事実だということです。
最後に。この仕事に入る方へ
22本の記事を書いてきて、最後にお伝えしたいことを書きます。
体が健康であれば、働き口がたくさんある業界です
これが、20年見てきた私の実感です。
体が健康であれば、働き口がたくさんあります。
学歴も、資格も、前職の華やかさも要りません。人手が足りていないので、まじめに働ける方なら、必ずどこかに居場所があります。
ただし——ここが本当に大事なところです。
荷物の種類によって、仕事は全然違います。
同じ「トラック運転手」でも、運ぶ物が違えば、まったく別の仕事です。だから自分に合った会社を探せるといいですね。
実際にあった話:工場から来た方が「もう辞められません」
最後に、実際の話を書きます。この記事で一番伝えたいことが、全部入っています。
2年前、自動車工場から入社された方がいます
2年前、自動車工場に勤めていた方がうちに入社されました。
その方が、今こう言っています。
「運送業は、もう辞められません」
理由を聞くと、うちのコースの中で、その方にとってやりやすいコースだったからだそうです。
ただ——ここも正直に書きます。
その方は、給料は減ったそうです。
それでも「もう辞められない」と言っています。
この話が意味すること
よく読んでください。ここに、この仕事の本質があります。
給料が下がったのに、辞められない
- 前職(自動車工場)より給料は下がった
- それでも「もう辞められない」と言っている
- 理由は「自分に合ったコースだったから」
この仕事の満足度は、給料だけでは決まりません。
毎日、自分のペースで回れるかどうか。時間に追われないかどうか。人間関係で消耗しないかどうか。そういうことの積み重ねです。
そして——それは会社とコースによって、まったく変わります。
だから、私はこのサイトで一貫して同じことを書いてきました。
「職種で判断せず、会社で判断してください」
まとめ
この記事の要点
- 自動運転で仕事はなくならないと思っている(積み降ろし・検品・荷主対応は人がやる仕事)
- 業界のIT化は、言われているほど進んでいない(うちも日報は手書き)
- ★この20年で、確実に働きやすくなった(荷降ろしの効率化・拘束時間の管理・給料面)
- これからも、もう少しドライバー目線で良くなっていくと思っている
- 体が健康であれば、働き口はたくさんある
- ただし荷物の種類で仕事は全然違う。自分に合った会社を探すこと
- ★給料が下がっても「もう辞められない」という人が実際にいる
「この仕事、なくなりませんか」と聞かれたら、私はこう答えます。
なくなりません。そして、20年前より良くなっています。
ただし、良い会社と悪い会社の差は、今でもはっきりあります。だからこのサイトを書いています。
会社の見分け方はブラック運送会社の見分け方7つと潰れる運送会社の特徴にまとめました。応募する前に、ぜひ読んでみてください。
「自分に合う会社」を探してみてください
この記事でお伝えしたかったのは、これに尽きます。
合う会社に出会えれば、給料が下がってでも続けたくなる仕事です。逆に、合わない会社なら、給料が高くても続きません。
- ドライバー専門の求人サイトを使う(荷物の種類・コースの内容まで書かれています)
- 複数のサイトに登録しておく(同じ地域でも会社によって全然違うことが分かります)
- 「何を運ぶか」で選ぶ——ここが仕事内容を決めます
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