荷主先で嫌われるドライバーの特徴|「あの人はもう来させないで」と言われる理由を社長が公開
※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。荷主先のルールは取引先により大きく異なります。
地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。
この記事では、他ではまず読めないことを書きます。
荷主さんからの苦情の、中身です。
まず、これを知っておいてください
苦情は、ドライバー本人には届きません
荷主さんが「あのドライバー、どうにかならないか」と思ったとき——その電話は、本人ではなく会社に来ます。
つまり私のところです。
だから、こういうことが起きます。
本人だけが、自分が嫌われていることを知らない。
荷主先では、みんな普通に接してくれます。表立って怒られることは、あまりありません。だから本人は「うまくやれている」と思っている。
そして、ある日いきなり「あの人を、もう来させないでほしい」と言われる。
これは、本人にとって本当に気の毒なことです。だからこの記事で、荷主さんが実際に何を見ているのかを書きます。
苦情で一番多いのは、これです
「ルールを守らないドライバー」が、苦情になります
苦情の内容はいろいろありますが、突き詰めると「決められたルールを守っていない」——これに尽きます。
具体的に多いのは、この2つです。
- 検品をしっかりしない
- 梱包をしっかりしない
運転がうまいとか、時間が早いとか、そういう話ではありません。地味な手順を、決められたとおりにやるかどうかです。
「これくらいいいだろう」で飛ばした一手間が、荷主さんのところで問題になります。
なぜ、ここが一番なのか
荷主さんにとって、荷物は自分のお客さんに届ける商品です。
数が合わなければ、荷主さんがお客さんに謝ることになります。梱包が甘くて傷がつけば、やはり荷主さんが責任を取ることになります。
ドライバーの一手間の省略が、荷主さんの信用を削るんです。だから、そこには厳しくなります。
【本題】「ドライバーを変えてください」と言われるとき
ここが、一番気になるところだと思います。
正直に書きます。実際に言われたことがあります。
言われるのは、この2つのケースです
① 荷主先の方と、言い争いになった
相手の会社の方と、口論になってしまうケースです。
どちらに理があったかは関係ありません。荷主先は、こちらのお客様の職場です。そこで揉めごとを起こした時点で、こちらが不利になります。
② 同じミスを、何度も繰り返した
ここは、はっきり書いておきます。
1回のミスで「変えてくれ」と言われることは、ありません。
荷主さんも人間です。1回や2回のミスなら、待ってくれます。
問題は、同じことを何度も繰り返すことです。「前も言いましたよね」が積み重なったとき、初めて「ドライバーを変えてください」という話になります。
だから、こう考えてください
ミスをしたときの分かれ道
- ミスをした → 誰にでもあります。問題ありません
- なぜ起きたかを考えて、次で直した → ここで終わりです
- 同じことを3回、4回と繰り返した → ここで切られます
問われているのは「ミスをしないこと」ではなく、「同じミスを繰り返さないこと」です。
これは、未経験の方にとっては良い知らせだと思います。最初から完璧にできる人はいません。直せる人かどうかだけが見られています。
逆に、荷主さんに褒められるドライバー
暗い話ばかりでは公平ではないので、こちらも書きます。
うちは、比較的よく褒めていただいています
ありがたいことに、うちのドライバーは荷主さんから褒められることが多いです。
褒められる方には、はっきりした共通点があります。
- 真面目に、コツコツやるタイプ
- 周りの手伝いをする
- 荷主さんに喜ばれるようなことを、進んでやる
特別な技術の話は、一つも出てきません。
「大型に乗れる」でも「運転が速い」でもない。真面目にやって、少し手を貸す。それだけで、評価は変わります。
「手伝い」とは、大げさなことではありません
倒れた荷物を直す。パレットを揃える。台車を元の場所に戻す。ドアを押さえる。
10秒でできることばかりです。
でも、荷主さんの担当者は毎日それを見ています。そして——誰がやって、誰がやらないかを、正確に覚えています。
これは営業活動でも、ゴマすりでもありません。人が気持ちよく仕事できるようにする——ただそれだけのことです。そして、それができる人が結局いちばん長く働けています。
新人がやってしまう失敗は、会社が教えるべきことです
ここは、これから入る方にとって大事な話です。
停める場所や待つ場所は、間違えて当たり前です
新人の方は、こういうことをよく間違えます。
- トラックを停める場所を間違える
- 待つ場所を間違える
荷主先ごとにルールが違うので、知らなければ分かりません。当たり前のことです。
だから、うちは徹底的にこちらが教えることにしています。
荷物の扱い方も同じです。「その持ち方は危ないな」と思えば、こちらが指導します。本人任せにはしません。
これは、会社選びの基準になります
ここ、よく読んでください。
荷主先のルールは、本人が知りようのない情報です。教わらなければ、必ず間違えます。
それなのに——
こういう会社には注意してください
- 荷主先のルールを教えず、いきなり一人で行かせる
- 間違えてから「なんでそんなことしたんだ」と怒る
- 荷主から苦情が来たときだけ、本人を責める
教えていないことで怒るのは、会社の怠慢です。荷主先のルールを教えるのは、会社の仕事です。
だから面接では、こう聞いてください。
「荷主先ごとのルールは、どなたが教えてくださいますか?」
ここで答えが濁る会社は、入ってから苦労します。会社の見分け方はブラック運送会社の見分け方7つにまとめました。
身だしなみで、実際に言われたこと
「会社名の分かる作業着を、きちんと着てください」
身だしなみについて、荷主さんから実際に言われたことがあります。
それが、これです。
「会社名が分かる作業着を、しっかり着てください」
髪型がどうとか、細かいことは言われません。どこの会社の人か、ひと目で分かるようにしてほしい——それだけです。
荷主先には、いろいろな業者が出入りします。関係者以外が構内に入るのは、荷主さんにとって困ることです。
だから、作業着をきちんと着ることは「私は正規の業者です」という名札の役目を果たしています。
暑いからと脱いでしまう、上着を羽織って社名を隠してしまう——これは荷主さんが一番嫌がるところです。
ちなみに、うちは制服を会社で用意しています。福利厚生については運送会社の福利厚生に書きました。
まとめ:難しいことは、何もありません
荷主先で嫌われる人
- 検品・梱包など、決められた手順を省く
- 荷主先の方と言い争いになる
- 同じミスを何度も繰り返す
- 社名の分かる作業着を、きちんと着ない
荷主先で可愛がられる人
- 真面目に、コツコツやる
- 周りの手伝いを、少しだけする
- 荷主さんに喜ばれることを、進んでやる
- ミスをしても、次で直す
見ていただくと分かると思いますが、運転の腕も、資格も、経験年数も、一つも入っていません。
荷主さんが見ているのは、手順を守るか、揉めごとを起こさないか、同じミスを繰り返さないか——この3つだけです。
そして、これは未経験でも、明日からできることです。
面接で見られていることも、実は同じです。詳しくはドライバー面接で落ちる人の特徴6つをご覧ください。
「教えてくれる会社」を選んでください
この記事で一番お伝えしたかったのは、ここです。
荷主先のルールは、教わらなければ絶対に分かりません。だから「教えてくれる会社」を選ぶことが、そのまま「長く続けられる会社」を選ぶことになります。
- ドライバー専門の求人サイトを使う(研修内容まで書かれていることが多いです)
- 複数のサイトに登録しておく(掲載企業が違うので、比較できます)
- 面接で「荷主先のルールは誰が教えてくれますか」と必ず聞く
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