運送会社の福利厚生は?社会保険・退職金・賞与のリアルを社長が公開します

運送会社 経営者/ドライバー20名を雇用
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※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。制度は会社により大きく異なります。

地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。

求人票の「福利厚生」の欄って、たいてい「社保完備」の4文字で終わっていませんか。

それでは何も分かりません。そこで今回は、うちの会社の待遇を、全部そのまま公開します。

いいところも、ないものも、両方書きます。

社会保険:全部入っています。入社してすぐです

現場から

健康保険・厚生年金・雇用保険・労災、すべて完備

うちは4つとも完備しています。そして入社してすぐに加入します。

「試用期間中は入れない」「3ヶ月経ってから」という会社の話も聞きますが、うちはそういうことをしていません。

ここは正直、特別なことではありません。条件を満たす従業員を加入させるのは、会社の義務だからです。

逆に言えば——「社保はうち入ってないんだよね」という会社は、その時点で候補から外していいと思います。

面接で確認すること

退職金:あります(中退共)

現場から

うちは「中小企業退職金共済」に加入しています

退職金制度はあります。

仕組みは「中小企業退職金共済(中退共)」です。国が中小企業のために作った制度で、会社が毎月掛金を積み立て、退職時に本人へ直接支払われます。

中小の運送会社が独自に退職金を積むのは、正直しんどいです。だからこういう制度を使っています。同じように中退共を使っている中小企業は多いと思います。

ポイントは、お金が会社ではなく、共済から本人に直接支払われるところです。会社の資金繰りに左右されにくい、という安心感があります。

ただし——もらえる金額は「勤続年数」と「掛金」で決まります。短期間で辞めた場合は、ほとんど出ない、あるいは掛金を下回ることもあります。

面接で確認すること

退職金がない運送会社も、普通にあります。それが悪いわけではありませんが、長く働くつもりなら、確認しておいた方がいい項目です。

賞与(ボーナス):年2回あります

現場から

7月と12月に、平均10〜15万円ほど

正直な数字を書きます。

  • 年2回(7月・12月)
  • 1回あたり、平均で10万〜15万円ほど

「大企業の何ヶ月分」というような金額ではありません。そこは正直に認めます。

ただ、運送業でボーナスが出ること自体、決して当たり前ではありません。「賞与なし」「業績次第で寸志程度」という会社も、実際にあります。

だから求人票で「賞与年2回」と書いてあっても、金額までは分かりません。面接で聞いてください。

私は聞かれたら答えます。「実際、去年はいくらでしたか?」——この質問に答えられない会社は、少し警戒した方がいいと思います。

健康診断:年1回、会社負担です

現場から

費用は会社が出しています

うちは年1回、会社の費用負担で健康診断を行っています。

これも法令上の義務ですが、運送業にとってはそれ以上に大事なものだと思っています。

ドライバーの体調は、そのまま安全に直結します。運転中に意識を失うようなことがあれば、大事故になります。だから健康診断は、会社を守るためでもあるんです。

面接では「健康診断は年何回、費用はどちら負担ですか?」と聞いてみてください。ここを従業員負担にしているような会社は、正直どうかと思います。

制服:会社が用意しています

制服は会社が用意しています。毎日着るものなので、自前で揃えなくていいのは地味に助かるはずです。

ただし、どこまで支給されるかは会社によって差が出るところです。安全靴、手袋、防寒着など、細かいものが自己負担になる会社もあります。

毎年のことなので、面接で「作業着や安全靴は支給ですか、自己負担ですか?」と聞いておくといいと思います。

【正直に】うちに「ない」もの

ここまで良いことを書いてきたので、足りないところも正直に書きます。

現場から

うちは、かなりアナログな会社です

正直に言います。うちはデジタコ(デジタル式の運行記録計)を導入していません。

そのため、日報は今も手書きです。

最近は、デジタコやスマホアプリで運行記録が自動的に残る会社が増えています。そういう会社と比べると、うちはかなりアナログです。

手書きの日報は、正直、ドライバーにとって手間です。帰ってきて疲れているときに、紙に書かなければならない。

これは会社の課題だと思っています。隠してもしょうがないので、書いておきます。

だから求人を見るときは、「日報はどうやって書きますか?」と聞いてみるのもいいと思います。デジタル化されている会社なら、その分ラクになります。

まとめ:「社保完備」の4文字で判断しない

面接で確認したい待遇のこと

  • 社会保険はいつから加入?試用期間中は?
  • 退職金制度はある?どういう仕組み?何年から?
  • 賞与は年何回?実際、去年はいくらだった?
  • 健康診断は年何回?費用はどちら負担?
  • 作業着・安全靴は支給?自己負担?
  • 日報は手書き?デジタル?

給料の金額は求人票に載っています。でも、ここに挙げたことは、ほとんど書かれていません。

そしてこれらは全部、長く働くほど効いてくるものです。退職金の有無は、10年働けば何十万円もの差になります。

聞きにくいと思うかもしれませんが、まともな会社は、これくらいの質問で嫌な顔はしません。私も聞かれたら、この記事に書いたとおりに答えます。

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良い会社ほど、待遇を具体的に書いています。「社保完備」だけの求人より、「賞与年2回」「退職金制度あり」「健康診断年1回」まで書いてある求人を優先してください。

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※本記事は筆者の経営者としての経験に基づく個人的見解です。福利厚生・退職金・賞与の制度は会社により大きく異なります。社会保険の加入要件、中小企業退職金共済の支給条件などの制度面は、年金事務所・勤労者退職金共済機構等の公的機関、または各企業にご確認ください。