トラック運転手に休みはあるのか|年間休日と有給の実態を社長が正直に話します
※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。休日・有給の制度は会社により大きく異なります。
地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。
「運送業は休みが少ない」——よく言われます。
正直に言うと、これは半分本当で、半分は会社によります。
この記事では、うちの実際の数字を全部出したうえで、業界平均とも比べます。自分の会社が平均より良いか悪いかも、隠さず書きます。
まず、うちの年間休日を書きます
うちは完全週休2日制。年間およそ96日です
うちは完全週休2日制をとっています。
月に8日の休み × 12ヶ月=年間およそ96日という計算になります。
「週休2日なら、もっと多いのでは?」と思われるかもしれません。祝日が休みになっていないぶん、この日数です。
正直に言うと、これは全産業の平均より少ない数字です。(あとで比較します)
それでも完全週休2日にこだわっているのは、週1休みでは体がもたないからです。事故のリスクも上がります。ここは会社の方針として、譲れない部分だと思っています。
業界平均と比べると、どうなのか
公的な統計と比べてみます。
- 全産業の平均年間休日:約113.7日(労働者1人あたり)
- 運輸業・郵便業の平均:約106.6日(同上)
- うちの会社:約96日
つまり、運送業は全産業より約7日少なく、うちはさらにそこから少ないということになります。
ここは正直に認めます。休日日数だけで見れば、うちは自慢できる数字ではありません。
ただし、業界内の幅がとても広いです
ここが大事なところです。
運送業界の年間休日は、会社によって驚くほど違います。
- 年間120日以上・土日祝休みの会社もあります(大手や、荷主が土日休みの会社)
- 一方で、週に1日休めればいい方という会社もいまだにあります(年間52〜60日程度)
同じ「トラック運転手」でも、休日日数は倍以上違うことがあるということです。
だからこそ——「運送業は休みが少ない」と決めつけて諦めないでください。探せば、休みの多い会社は確実にあります。
求人票で必ず見るところ
- 「年間休日◯日」と具体的に書かれているか
- 「週休2日制」なのか「完全週休2日制」なのか(別物です)
- 祝日は休みなのか
- 「シフト制」の場合、月に何日休めるのか
特に「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いには注意してください。
- 完全週休2日制=毎週必ず2日休める
- 週休2日制=月に1回でも2日休める週があればOK(残りは週1休みでも合法)
この2文字の違いで、年間30日以上変わることがあります。
有給休暇は、実際に取れるのか
ここも正直に書きます。
申請すれば取れます。でも消化率は、正直高くありません
うちの方針としては、事前にきちんと申請してもらえれば、有給は基本的に取れるようにしています。断ることはまずありません。
ただ——全員がきれいに消化できているかというと、できていません。これは正直に書きます。
実態としては、年間5日程度は休んでもらっていますが、それ以上を積極的に取る方は、数名しかいません。
理由はいろいろあります。「自分が休むと、誰かに負担がいく」「代わりがいない」——ドライバーは1人1台なので、どうしてもそうなりがちです。
会社としては「取っていい」と言っていても、現場の空気として取りにくい。これが運送業のリアルだと思います。
【重要】年5日の有給取得は、法律上の義務です
ここは、転職を考えている方に絶対に知っておいてほしいことです。
2019年4月から、会社には「年5日の有給を取らせる義務」があります。
- 対象:年10日以上の有給が付与される労働者
- 会社が取得させなかった場合、労働者1人あたり30万円以下の罰金
つまり——「うちは有給なんてない」と言う会社は、法律違反です。
うちが年5日を必ず取ってもらっているのも、正直に言えばこれが法律で決まっているからという面があります。ただ、それは最低ラインです。胸を張れる話ではありません。
面接で聞いてほしいこと
- 「有給の取得率はどれくらいですか?」
- 「年5日は、全員取得できていますか?」
- 「有給を申請するとき、どれくらい前に言えばいいですか?」
この質問に対して、「うちは有給とか無いから」と言う会社は、その場で候補から外していいです。法令を守っていない会社は、他のところも守っていません。
急に休みたくなったら、どうなるのか
これも心配な方が多いと思うので、うちのやり方を書きます。
「無理して出てこい」とは、絶対に言いません
体調不良など、急に休みたいという連絡が来ることはあります。
病気の場合は、必ずこちらで対応します。代わりの人を手配するなり、荷主に連絡するなり、それが会社の仕事です。
その他の事情でも、話を聞いたうえで休んでもらうことはあります。
そして、これだけははっきり言えます。
「無理してでも出てこい」とは、絶対に言いません。
理由は、優しさだけではありません。体調が悪い人に運転させるのが、一番危険だからです。眠気、集中力の低下、判断の遅れ——それで事故になったら、取り返しがつきません。
だから、体調不良の連絡は、むしろしてくれた方がありがたいんです。
面接では、ぜひこう聞いてみてください。「体調不良で急に休む場合、どうなりますか?」——ここで渋い顔をする会社は、危ないと思ってください。
まとめ:休みは「会社選び」で決まります
この記事の要点
- 運送業の年間休日は、全産業より約7日少ない(106.6日 vs 113.7日)
- うちは約96日。正直、平均より少ない
- でも業界内の幅は広く、120日以上の会社もある
- 「週休2日制」と「完全週休2日制」は別物。要注意
- 年5日の有給取得は、会社の法律上の義務
- 「有給がない」と言う会社は、その時点で違法
- 体調不良で休めない会社は、危険な会社
正直に言えば、運送業は休みが多い業界ではありません。でも「休みが取れない業界」でもありません。
差がつくのは、業界ではなく会社選びです。
年間休日で会社を絞り込む
「年間休日120日」「土日休み」といった条件は、ドライバー専門の求人サイトなら絞り込めることが多いです。一般の求人サイトだと、この条件が細かく出てきません。
- ドライバー専門の求人サイトを使う(休日条件で絞れます)
- 複数のサイトに登録しておく(掲載企業が違うので、選択肢が増えます)
- 「年間休日◯日」と明記している会社を優先する(書けるのは自信がある証拠)
家族との時間、体を休める時間は、お金と同じくらい大事です。休日日数は、入ってから変えられません。だから、入る前に必ず確認してください。