トラック運転手の志望動機、実はそんなに聞いていません|社長が本音で答えます
※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。採用基準は企業により異なります。
地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。
「志望動機、なんて言えばいいんだろう」
面接の前に、一番悩むところだと思います。ネットで例文を探して、それらしい言葉を組み立てて、暗記して——。
その努力に水を差すようで申し訳ないのですが、採用する側の本音を、正直に書きます。
正直に言うと、志望動機は特に聞いていません
うちの面接では、志望動機を特に聞いていません。
そして、重視もしていません。
意地悪で言っているのではありません。理由があります。
ドライバーの仕事は、志望動機の立派さで成果が変わる仕事ではないからです。時間どおりに、安全に、荷物を届ける。それができるかどうかが全てです。
面接で「御社の企業理念に共感し——」と言われても、正直、判断材料になりません。それより、その人が明日から続けられそうかどうかを見ています。
じゃあ、何を言えばいいのか
とはいえ、聞かれることもあります。会社によっては、しっかり聞くところもあるでしょう。
だから答え方は用意しておいた方がいいです。ただし——作り込む必要は、まったくありません。
私が「いいな」と思った志望動機
今まで聞いた中で、印象に残っているのはこれです。
「車が好きで、運転するのが大好きです」
それだけです。難しいことは何も言っていません。
でも、これが一番いいんです。なぜなら——
- 本心だと分かる(作った言葉ではない)
- 運転が好きな人は、この仕事が続く
- 好きなことは、長く続けられる
採用する側が知りたいのは、「この人は長く続けてくれそうか」——ただそれだけです。
「給料がいいから」と言っても大丈夫?
これ、聞きにくいと思うので、先に答えておきます。
「給料がいいから」——正直でいいと思います
本音を言うと、「給料がいいから応募しました」でまったく構いません。
むしろ、正直でいいと思います。
だって、そうでしょう。私だって、会社を続けているのは生活があるからです。働く理由がお金なのは、当たり前のことです。
それを隠して、取ってつけたような理念を語られる方が、逆に不自然です。
ただ、少しだけ言い方を工夫すると、印象がさらに良くなります。
- △「給料がいいので」
- ◎「家族を養っていく必要があるので、しっかり稼げる仕事を探していました」
同じことを言っているのに、後者は「長く働く理由がある人」に聞こえます。
「これはちょっと…」という志望動機は?
正直に書くと、特にありません。
「これを言ったから落とした」という志望動機は、思い当たりません。
つまり——志望動機で落ちることは、ほぼないということです。
だから、安心してください。何時間もかけて考える必要はありません。
では、本当に見ているのは何か
志望動機を見ていないなら、何を見ているのか。答えははっきりしています。
- 時間を守れるか(面接に5分前に来られるか)
- 素直に聞けるか(年下の先輩からも教わることになります)
- 受け答えができるか(上手でなくていい。聞かれたことに答えられるか)
- 清潔感があるか(荷主先に出せるかどうか)
この4つです。志望動機を練るより、この4つを意識する方が、はるかに合格に近づきます。
詳しくはドライバー面接で落ちる人の特徴6つにまとめました。こちらの方が、実は重要です。
【本音】この仕事に向いている人
志望動機よりも大事な話をします。そもそも、この仕事に向いているのはどんな人か。
意外かもしれませんが、「大人しい人」が向いています
20人を見てきて、会社として一番ありがたいのは——
性格が大人しくて、一人で淡々とやってくれる人です。
意外に思われるかもしれません。「営業みたいに明るい人が有利では?」と。でも違います。
ドライバーの仕事は、1日のほとんどを一人で過ごします。運転席で、黙って、決められた場所へ、決められた時間に荷物を運ぶ。
だから、一人の時間が苦にならない人。淡々と続けられる人。この仕事は、そういう人にこそ向いています。
人と話すのが苦手でも、まったく問題ありません。うちにも無口な方はたくさんいますし、その方たちが一番長く続いています。
逆に、合わなかった人
これも正直に書きます。
「損か得か」ばかり気にする人は、続きません
合わなかったなと思うのは、こういう方です。
- 条件(割がいいかどうか)ばかりを見ている
- 「この仕事は楽か、きついか」ばかり気にする
- 他の人がどうしているか、ばかり気にする
「あの人の方が楽なコースだ」「自分の方が損している」——そういうことばかり気になってしまう方は、正直、長く続きませんでした。
誤解しないでほしいのですが、条件を確認するのは当然の権利です。給料も休みも、しっかり聞いてください。
でも、それが「働き始めてからも」続くと、本人がしんどくなります。運送業は一人ひとり違うコースを回るので、完全に平等にはできません。そこを比べ続けると、不満が消えないんです。
それでも、人は見た目では分かりません
最後に、私が一番伝えたい話を書きます。
「バイトでいい」と言っていた人が、10年続きました
ある方の面接での第一声は、こうでした。
「社会保険とか年金とか、払いたくないんです。アルバイトでやらせてもらえませんか」
正直、そのときは「この人は長く続かないかもしれないな」と思いました。腰を据えて働くつもりがないのかな、と。
結果はどうだったか。
その方は、10年近く働いてくれました。
誰よりも真面目に、淡々と、コースを回り続けてくれました。
あのとき「この人は無理だ」と決めつけていたら、うちは大事な戦力を失っていました。
だから、面接に来る方にも言いたいんです。第一印象や、最初の一言だけで、人は決まりません。うまく話せなくても、変わった希望を言ってしまっても、それで全部が決まるわけではありません。
私も、そう思って面接をしています。
※社会保険は、労働時間などの条件を満たす場合、法令上の加入義務があります。働き方によって扱いが変わるため、条件は必ず会社に確認してください。
まとめ
志望動機で悩んでいる方へ
- 志望動機は、そこまで重視されていない(少なくともうちは)
- 志望動機で落ちることは、ほぼない
- 「運転が好き」で十分。作り込まなくていい
- 「給料がいいから」も正直でOK。言い方だけ工夫する
- 本当に見られるのは、時間・素直さ・受け答え・清潔感
- 向いているのは「一人で淡々とやれる人」
- 条件と損得ばかり気にすると、自分がしんどくなる
志望動機を何時間も考えるより、面接に5分前に着く方が、はるかに効果があります。
肩の力を抜いて、行ってきてください。
面接の前に、まず求人を比べる
志望動機を考える前に、そもそも受ける会社を選ぶ方が大事です。
同じ地域でも、給料も休日も驚くほど違います。1社だけ見て決めると、それが良い条件なのかも分かりません。
- ドライバー専門の求人サイトを使う(条件が細かく書かれています)
- 複数のサイトに登録しておく(掲載企業が違うので、選択肢が増えます)
- 最低3社は比べる