【経営者が本音】ブラック運送会社の見分け方7つ|求人票でわかります
※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。労働条件は必ずご自身でご確認ください。
はじめまして。地方でトラック運送会社を経営している者です。ドライバーを20名ほど雇っています。
この記事を書こうと思ったのは、転職サイトを見ていて「これ、書いている人は現場を知らないな」と思うことが多かったからです。
私は"採用する側"の人間です。だから、求人を出す側の事情も、募集の書き方のカラクリも知っています。
今日は、採用する側の立場から見た「入ってはいけない運送会社の特徴」を正直に書きます。同業に怒られるかもしれませんが、これから転職する方に損をしてほしくないので書きます。
その1:「月給35万円〜」に飛びついてはいけない
運送業の求人で一番多いのが、この書き方です。正直に言います。この金額のほとんどは"歩合と残業を含んだ最大値"です。
- 基本給18万円
- 歩合10万円(走った分だけ)
- 残業代7万円(=長時間労働が前提)
これで「月給35万円」と表示されます。つまり、たくさん走って、たくさん残業して、やっと35万円ということ。体調を崩したり、荷物が減った月は一気に減ります。
見るべきポイント
求人票の「基本給」がいくらか。ここだけ見てください。基本給が低く、手当や歩合の割合が大きい会社ほど、収入が不安定になります。
その2:「拘束時間」を書いていない会社は要注意
ドライバーの働き方には、国が定めたルール(改善基準告示)があります。ここで大事なのは、「労働時間」と「拘束時間」は別物だということです。
- 労働時間=実際に働いた時間
- 拘束時間=会社に縛られている時間(休憩・待機も含む)
運送業でキツいのは、この"待機時間"です。積み込みで3時間待たされても、それが給料に反映されない会社があります。
面接で必ず聞いてください
- 「1日の平均拘束時間は何時間ですか?」
- 「積み込みの待機時間は、給料に入りますか?」
ここを濁す会社は、やめておいた方がいいです。
その3:平均勤続年数を答えられない会社
これは私が一番大事だと思っている質問です。
人が辞めない会社には、必ず理由があります。逆に、いつも求人を出している会社にも、必ず理由があります。
面接で聞くこと
「今いるドライバーさんの平均勤続年数はどれくらいですか?」
答えられない、はぐらかす、「人それぞれですね」で終わる。こういう反応をする会社は、離職率が高い可能性が高いです。
ちなみに、うちは10〜15年です
「他人には聞けと言うくせに、自分は答えないのか」と言われたくないので、書きます。
うちのドライバーの平均勤続年数は、だいたい10年から15年ほどです。長い人はもっと働いてくれています。
自慢したいのではありません。お伝えしたいのは、この質問は、答えられる会社ならすぐ答えられるということです。
数字を把握していない、あるいは言いたがらない——それ自体が、その会社の状態を表しています。
遠慮せずに聞いてください。まともな会社なら、嫌な顔はしません。
その4:トラックが古い・汚い会社
意外と見落とされますが、車両は会社の姿勢がそのまま出ます。
- 年式が古いまま乗り続けている
- 洗車されていない、内装が荒れている
- 整備の話をすると曖昧になる
トラックは会社にとって一番高い買い物です。そこにお金をかけない会社は、人にもお金をかけません。
そして何より、古い車両は事故のリスクが上がります。自分の命を預ける道具なので、面接時に必ず見せてもらってください。
面接で言うといいこと
「実際に乗る車両を見せてもらえますか?」
見学を断られたら、理由や別の日に見せてもらえるかを確認してください。
ここまで読んで、「実際の求人はどうなっているんだろう」と思われたら——
先に求人を1つ2つ見ておくと、この続きが具体的に読めます。
その5:点呼が「形だけ」の会社
運送会社には、出発前後の点呼(アルコールチェック・体調確認)が義務づけられています。ここが形骸化している会社は、正直に言って危険です。
- 点呼で必要な確認を省いている
- アルコールチェックが適当
- 記録を残していない
これは法令違反であり、事故が起きたときにドライバー個人が責任を負わされるリスクがあります。
近年は「自動点呼」の導入も進んでいて、きちんとした会社ほど、この分野に投資しています。
面接で聞くこと
「点呼はどのように行っていますか?」
その6:荷主が1社だけの会社
これは業界にいないと分からない話です。
運送会社の売上が「特定の1社」に偏っていると、その荷主が契約を切った瞬間、会社が傾きます。
そして下請け・孫請けの立場が弱いほど、無理な時間指定・待機時間の押し付け・運賃の買い叩きが、ドライバーにしわ寄せされます。
荷主が1社に偏っている会社が、実際にどう傾いていくのか。そこは潰れる運送会社の特徴にまとめました。
面接で聞くこと
「主な荷主さんは何社くらいですか?」
答えられる範囲で教えてくれる会社は、経営が安定しています。
うちは、荷主さんとの付き合いが40年以上あります
手前味噌になりますが、参考として書きます。
うちは40年以上、同じ荷主さんとお付き合いが続いています。関係も良好で、無理な要求をされることはほとんどありません。
これがドライバーにとって何を意味するかというと——待たされない、急な無理を言われない、運賃を叩かれないということです。荷主との関係は、そのまま現場の働きやすさに直結します。
そしてもう一つ、正直な話を書きます。
今、仕事の依頼はけっこう来ています。でも、人が足りなくて受けきれていません。
これが今の運送業界の実情です。荷物はあるのに、運ぶ人がいない。だからまともな会社ほど、人を大事にします。せっかく来てくれた人に辞められたら、仕事が回らなくなるからです。
裏を返せば、人を粗末に扱う会社は、それでも人が来ると思っている会社だということです。そういう会社は、選ばなくていいと思います。
その7:面接で「すぐ来て」と言う会社
これも本音で書きます。まともな会社は、採用に慎重です。なぜなら、合わない人を採ると、お互いに不幸になるからです。
- その場で即採用
- 条件の話を後回しにする
- 「とりあえず来てみて」で押し切る
こういう会社は、とにかく人数が足りていないだけです。入ってから「聞いていた話と違う」となる典型パターンです。
【採用する側の本音】未経験でも受かる人の特徴
ここからは逆に、採用する側が「この人を採りたい」と思う人の話です。未経験の方にこそ読んでほしいです。
1. 時間を守る人
面接に5分前に来る。これだけで印象が全く違います。運送業は時間の仕事なので、ここを一番見ています。
2. 健康そうな人
長時間の運転に耐えられるか。持病の有無より、生活習慣を見ています。
3. 素直に聞ける人
経験より、これです。変なクセがついた経験者より、素直な未経験者の方が伸びます。
4. 辞めた理由を人のせいにしない人
前職の悪口が多い人は、正直、採用しづらいです。
逆に言うと、大型免許や経験より、この4つの方が大事です。未経験でも、ここが伝われば受かります。
では、良い会社はどうやって探すのか
ここまで「見分け方」を書いてきましたが、そもそも選択肢が少ないと、比較のしようがありません。
私が転職する立場だったら、こうします。
1. ドライバー専門の求人サイトで探す
一般の求人サイトは、運送業の求人が浅いです。ドライバー専門サイトの方が、条件が細かく書かれています。
2. 複数のサイトに登録しておく
サイトごとに掲載している会社が違います。1つだけだと、そもそも見えていない求人があります。登録は無料なので、2〜3社は押さえておくと選択肢が広がります。
3. 最低3社は比較する
1社だけ見て決めると、相場が分かりません。同じ地域・同じ車格でも、条件は驚くほど違います。
まずは選択肢を増やすところから
トラックマンジョブで求人を探す求人票と面接で、ほぼ分かります
求人票で見るポイント
- 基本給はいくらか(総額に惑わされない)
- 拘束時間が書かれているか
- 常に募集していないか
面接で聞くこと
- 平均勤続年数はどれくらいですか?
- 1日の平均拘束時間は?待機時間は給料に入りますか?
- 実際に乗る車両を見せてもらえますか?
- 点呼はどのように行っていますか?
- 主な荷主さんは何社くらいですか?
この5つを聞いて、正直に答えてくれる会社なら、私は「悪くない会社だ」と判断します。
運送業は、良い会社に入れば本当に良い仕事です。だからこそ、会社選びだけは慎重にしてください。同じ業界の人間として、応援しています。
求人票を「書いている側」がどこをぼかしているのかは、運送会社の求人票、ここをぼかしていますで白状しました。あわせて読むと、求人票の見え方が変わると思います。