運送業の転職はいつがいい?求人が増える時期と繁忙期を経営者が答えます
※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。繁閑の時期は運ぶ荷物により大きく異なります。
地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。
別の記事で、こう書きました。
「求人票の『月収40万円可能』は、繁忙期だけの数字です」(2024年問題から2年)
そう書いたあとで、自分でも思いました。
「じゃあ、繁忙期っていつなんだ」——そこを書いていませんでした。
今回は、うちの1年をそのまま公開します。
先に、よく聞かれることの答えを書いておきます。うちでは、求人を出す時期に決まった偏りはありません。人が動くのは賞与のあとです(求人が増える時期は?)。それより大事なのは、いつ入るかより、一番忙しい時期を知ってから入ることだと思っています。
大前提:繁忙期は「運ぶ物」で決まります
先にこれを言っておかないと、誤解を招きます。
荷物が違えば、忙しい時期も違います
繁忙期は、運ぶ物によってまったく違います。
うちが運んでいるのは、食品の冷蔵商品やお酒です。だから、うちの繁閑は「人が飲んだり食べたりする時期」に連動します。
引っ越し中心の会社なら3〜4月でしょうし、建材なら別の動きをします。
ですから、この記事の数字は「食品・お酒を運ぶ会社の1年」として読んでください。
逆に言うと、面接で「御社の繁忙期はいつですか」と聞けば、その会社の1年が分かります。これは意外と聞かれない質問です。
うちの1年は、こうです
7〜8月と12月が忙しく、2月が一番落ち着きます
うちの1年は、はっきりしています。
- 7月・8月——忙しい。コース外の仕事の依頼も来ます
- 12月(年末)——バタバタします
- 2月ごろ——一番落ち着きます
夏はビールや冷たい飲み物、年末は忘年会シーズン。世の中が飲んだり集まったりする時期が、そのままうちの繁忙期です。
| 時期 | 忙しさ | 現場では |
|---|---|---|
| 7〜8月 | 繁忙期 | 物量・件数が増える。コース外の依頼も来る |
| 12月 | 繁忙期 | 年末でバタバタする |
| 2月 | 閑散期 | 物量・件数が減る。早く帰れる人も |
| その他の月 | ふつう | — |
ちなみに、7〜8月は、一番暑い時期でもあります。物量が増えるのと、体力的に一番きついのが重なる。ここは正直に言っておきます。夏の実際は夏は本当にきついに書きました。
繁忙期と閑散期で、何が変わるか
繁忙期は、単純に負担が増えます
繁忙期は物量も件数も増えます。その分、ドライバーの負担も増えます。
普段のコースに加えて、追加の依頼が来ることもあります。
逆に閑散期は、物量も件数も減ります。早く帰社できる方もいます。
ここで、多くの方が心配することがあります。
「じゃあ、暇な月は給料も減るのか?」
閑散期に、給料が下がらないようにしています
うちは、固定残業制にしています
物量が減っても、給料が変わらないようにしています。
そのために固定残業制を採っています。
閑散期で早く帰れた月も、繁忙期で走った月も、基本の部分は変わりません。
ドライバーからすれば、毎月の生活の見通しが立つということです。
固定残業代は、時間数と超過分の扱いを確認する
ここは丁寧に書きます。誤解されやすいところだからです。
このサイトの給料のカラクリでは、固定残業代を「必ず中身を確認すべきもの」として書きました。それは今も変わりません。
でも、使い方によっては、働く人を守る仕組みでもあります。
| 働く人を守る使い方 | 気をつけたい使い方 | |
|---|---|---|
| 目的 | 閑散期でも収入を安定させる | 基本給を低く見せて、月給を大きく見せる |
| 時間数 | はっきり明示されている | 「◯時間分」が書かれていない |
| 超えたら | 別途きちんと支払われる | 「込み」で片付けられる |
| 説明 | 会社から先に説明がある | 聞くと話をそらされる |
大事なのは「固定残業代があるか」ではなく、「中身が説明されているか」です。
面接で、この3つを聞いてください
- 「固定残業代は何時間分で、いくらですか?」
- 「その時間を超えた分は、別途支払われますか?」
- 「閑散期でも、その額はもらえますか?」
3つ目が特に大事です。ここに「はい」と即答できる会社は、収入が安定します。
なお、法律上も「何時間分でいくらか」を明示し、超えた分は別に支払うことが必要です。曖昧にする会社は、それだけで問題があります。
ここまで読んで、「実際の求人はどうなっているんだろう」と思われたら——
先に求人を1つ2つ見ておくと、この続きが具体的に読めます。
入社するなら、いつがいいのか
「繁忙期を避けて入った方が楽では?」と思われるかもしれません。
私の答えは、逆です。
忙しい時期の現場を、見てから決めた方がいいです
入社の時期は、いつでもいいと思います。
ただ、もし選べるなら、忙しい時期の現場を見た方がいいと思っています。
理由は単純です。
一番きつい時期を見て、「これならやれる」と思えるかどうか。それを基準に判断できるからです。
暇な時期だけ見て「思ったより楽だな」と入って、夏や年末にびっくりする。これが一番よくないパターンです。
入社前に、きつい面も知ってほしい
普通、会社はいいところだけ見せたいものです。「忙しい時期を見てから決めてください」とは、あまり言いません。
でも、私は逆だと思っています。
入ってから「こんなはずじゃなかった」となる方が、お互いに不幸です。3ヶ月で辞められるより、最初にきつい面を見てもらって、納得して入ってもらう方がいい。
だから、こう頼んでみてください
- 「一番忙しい時期の様子を見せていただけませんか?」
- 「繁忙期の1日の件数は、普段の何倍くらいになりますか?」
- 「繁忙期の終わる時間は、だいたい何時ごろですか?」
この頼みを嫌がる会社は、見せたくない何かがあるということです。
求人が増える時期は?
時期の偏りより、「賞与のあと」に動きます
求人を出す時期に、はっきりした偏りはありません。
ただ、正直に書くと——賞与を受け取ってから退職される方が多いです。
そして会社としても、「そこまで続けてから」と言います。
せっかく働いてくれたのだから、賞与を受け取ってから次に行ってほしい。そう思うからです。
うちの賞与は年2回(7月・12月)です(福利厚生の記事に書きました)。
時期によって採りやすさが変わることは、特にありません
2026年9月の時点で、去年から今年にかけてうちが求人を出したのは、2026年3月です。
応募が多いのは、賞与のあとの1月と8月だと思っています。ただ、数えたわけではないので、実際のところは分かりません。
採用しやすい時期、しにくい時期というのも、特にないです。
もっとも、この業界は年中人手が足りていません。「いい時期を待つ」より、気になる会社が出たらすぐ動く方が正解だと思います。
応募してくるのは、辞めてからの人が断然多いです
面接から入社までは、次の日か翌週からが多いです
今の会社に勤めながら応募してくる人と、辞めてから応募してくる人。うちに来るのは、断然、辞めてからの人です。
面接から入社までは、早い人で次の日からです。次の日か、翌週から働き始める人が多いです。
本当は、働きながら探した方がいいです
辞めてから探すのは、リスクが高いと思います
ただ、本当は、今の職場で働きながら転職活動をした方がいいです。
辞めてしまうと、収入が途絶えます。それに、いい会社がすぐに見つかるかどうかは分かりません。
1か月先の入社でもいい会社は、たくさんあると思います
前の会社を辞めるまで1か月かかる。そういう人を、会社は待ってくれるのか。
運送会社の募集は、空いている人員をすぐに埋めたくて出すことが多いと思います。ほかにいい人がいれば、待てない可能性はあります。
ただ、新規事業の拡大で、先に人を確保しておきたい会社もたくさんあると思います。
働きながら応募するなら、面接で聞くこと
- 「この募集は、欠員の補充ですか、それとも増員ですか?」
- 「入社日は、いつまで待っていただけますか?」
辞める前に確かめておきたいことは、トラック運転手を辞めたい人へにまとめました。
繁忙期の働き方を知ってから応募する
この記事の要点
- 繁忙期は運ぶ物で決まる。面接で「御社の繁忙期は?」と聞くこと
- うち(食品冷蔵・お酒)は7〜8月と12月が繁忙期、2月が一番暇
- 繁忙期は物量・件数が増え、コース外の依頼も来る
- 閑散期に給料が下がらないよう、固定残業制にしている
- 固定残業代は「あるかどうか」ではなく「中身が説明されているか」で判断する
- 入社するなら一番忙しい時期の現場を見てから決めるのがいい
- うちでは賞与を受け取ってから辞める人が多い。応募が多いのは1月と8月だと思う(数えてはいない)
- 応募は辞めてからの人が断然多い。面接から入社までは、次の日か翌週からが多い
- 本当は働きながら探した方がいい。1か月先の入社でもいい会社は、たくさんあると思う
「いつ入るか」より大事なのは、「一番きつい時期を知ってから入るか」です。
どの会社にも、必ず忙しい時期があります。それを隠す会社より、見せてくれる会社を選んでください。
1年の波まで教えてくれる会社を探す
求人票に「繁忙期」まで書いてある会社は多くありません。だからこそ、聞ける状態を作っておくことが大事です。
- ドライバー専門の求人サイトを使う(扱う荷物が書かれているので、繁閑が推測できます)
- 複数のサイトに登録しておく(同じ地域でも、荷物が違えば1年の流れが違います)
- 面接で「繁忙期はいつですか」「その時期を見せてもらえますか」と聞く
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