2024年問題から2年、運賃は上がりました。ではドライバーの給料は?|社長が正直に答えます

運送会社 経営者/ドライバー20名を雇用 運営者について
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※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。運賃・給与の状況は地域や取引先により大きく異なります。

地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。

「2024年問題」——ニュースでさんざん取り上げられました。ドライバーの残業に上限がついて、物が運べなくなる、という話です。

あれから、2年が経ちました。

ニュースは「これから大変になる」で終わっていますが、実際に現場で何が起きたのかを書いている人はほとんどいません。

だから、経営している立場から正直に書きます。

この記事で分かること

  • 運賃は本当に上がったのか(結論:上がりました)
  • その分、ドライバーの給料は上がったのか
  • ただし——稼ぎ方の構造が変わりました
  • これから応募する人が、求人票のどこを見るべきか

まず、良い知らせから。運賃は上がりました

現場から

運賃は、実際に上がっています

結論から書きます。運賃は、実際に上がりました。

これは、うちの実感です。ニュースの中の話ではありません。

そして、もう一つ大きな変化があります。

荷主さんとの交渉が、以前より通りやすくなりました。

昔は「運賃を上げてほしい」と言うこと自体が、なかなか難しいことでした。それが今は、話を聞いていただける空気になっています。

これは、業界にとって大きな前進だと思っています。

なぜ、これが応募する方に関係あるのか

運賃は、ドライバーの給料の元になるお金です。

会社の売上が上がらなければ、給料も上がりません。当たり前のことですが、ここが長いこと動かなかったのがこの業界でした。

その前提が、ようやく動き始めています。

では、給料は上がったのか

ここも正直に書きます。

現場から

一部のドライバーには、還元できています

上がった運賃の分は、一部のドライバーには給与として還元できています。

「全員に、大幅に」とは書きません。それは事実ではないからです。

ただ、「運賃が上がっても、会社が抱え込んで終わり」ではない——うちはそうしています。

ここで、会社選びの視点が1つ出てきます。

面接で聞いてみてください

  • この2年で、運賃は上がりましたか?
  • 「その分、給与に反映されましたか?
  • 「この2年で、ベースアップはありましたか?

業界全体で運賃が上がっている中、「うちは何も変わっていない」という会社は、どこかがおかしいと考えていいと思います。

値上げ交渉ができていないか、上がった分を還元する気がないか。どちらにしても、応募する側にとっては良くない話です。

【ここが本題】でも、手放しでは喜べません

ここからが、この記事で一番お伝えしたいところです。

2024年問題は、稼ぎ方の構造そのものを変えました。

現場から

「プラスの仕事」が、しにくくなりました

拘束時間の規制ができて、うちも時間をかなり意識するようになりました。上限を超えないように、日々気をつけています。

これは、安全のためには正しいことです。

ただ——時間管理をすると、働ける時間が限られます。

その結果、こうなりました。

基本の給料は変わりません。でも、プラスの仕事がしにくくなりました。

代走、追加便、応援、休日出勤。そういう「上乗せ」の部分が、以前ほど取れなくなったということです。

これが何を意味するか

とても大事なので、はっきり書きます。

ドライバーの稼ぎ方が変わりました

  • これまで:基本給は低め。長く働いた分だけ上乗せして稼ぐ
  • これから:長く働けない。基本給の高さが、そのまま年収になる

つまり——「残業で稼ぐ」というやり方が、制度的にできなくなりつつあります。

これは、良い面も悪い面もあります。

良い面と、悪い面

  • 体を壊すまで働かなくてよくなった(家に帰れる時間が増えた)
  • ◎ 会社が時間管理をするようになった
  • × 「頑張って稼ぐ」の上限が下がった
  • × 基本給が低い会社では、年収が下がる可能性がある

だから、求人票の見方が変わります

ここが、この記事の実用的な結論です。

これから見るべきは、ここです

  • ❌ 「月収40万円可能」——上乗せ前提の数字。今は届きにくくなっています
  • 基本給がいくらか——ここが、あなたの生活の土台になります
  • 年収でいくらか——月収の最大値ではなく、年間の合計
  • 固定残業代が何時間分で、いくらか

「上乗せで稼げます」という求人は、以前より当てになりません。制度上、その上乗せができる時間が減っているからです。

求人票の数字の中身については、運送会社の求人票、ここをぼかしていますで、書く側の立場から白状しました。あわせて読んでみてください。

給料の内訳(基本給・歩合・手当)についてはトラック運転手の給料のカラクリにまとめています。

そして、あまり語られない話

運賃が上がったと聞くと、「運送会社は儲かっているんだな」と思われるかもしれません。

そこも正直に書いておきます。

現場から

燃料費と車両価格の高騰が、実際に響いています

燃料費や車両の価格が上がっていることは、経営に実際に影響が出ています。

運賃が上がっても、出ていくお金も同時に増えています。上がった分が、そのまま利益になっているわけではありません。

だから「一部のドライバーには還元できた」という、控えめな書き方になっています。全員に大盤振る舞いできる状況ではないのが実情です。

これは、会社を責める話ではありません。そういう構造になっているという事実です。

ただ——だからこそ、「仕事を選べる会社」かどうかが効いてきます。安い仕事を大量に受けている会社は、コストが上がったときに真っ先に苦しくなります。詳しくは潰れる運送会社の特徴に書きました。

まとめ

2024年問題から2年、現場で起きたこと

  • 運賃は上がった(実感として、はっきり上がっています)
  • 荷主との交渉も通りやすくなった(これは大きな変化です)
  • 一部のドライバーには給与として還元できた
  • ただし燃料費・車両価格の高騰で、出ていくお金も増えている
  • 時間管理が厳しくなり、「プラスの仕事」がしにくくなった
  • ★だから「残業で稼ぐ」やり方は、成り立たなくなりつつある
  • これからは基本給と年収で会社を選ぶこと

ニュースでは「2024年問題=物流危機」としか語られませんでした。

でも現場で起きたのは、もっと地味で、もっと構造的な変化です。

働く時間が減り、その分だけ「基本の待遇」が重みを持つようになった。——これが、2年経ってみて分かったことです。

だから、これから応募する方には、こうお伝えします。

求人票の一番大きい数字ではなく、一番下の「基本給」を見てください。そこが、これからのあなたの生活を決めます。

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※本記事は筆者の経営者としての経験に基づく個人的見解です。運賃・給与・労働時間の状況は、地域・取引先・企業により大きく異なります。労働条件は必ず書面(労働条件通知書)でご確認ください。