長距離と地場配送、どちらを選ぶべきか【社長が本音で比較】

運送会社 経営者/ドライバー20名を雇用
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※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。条件は企業・地域により異なります。

地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。

「長距離と地場、どっちがいいですか」

これも、面接でよく聞かれる質問です。そして会社選びで一番後悔が出やすいポイントでもあります。

収入だけで決めて、生活が壊れて辞めていく方を、何人も見てきました。だから今日は、両方の本当のところを書きます。

まず、言葉の意味を整理します

地場配送(ちばはいそう)

中距離

長距離

収入で比べると(正直な話)

はっきり言います。長距離の方が稼げます。

理由は単純で、運送業の給料は「走った距離」「運行回数」で決まる部分が大きいからです。長距離は1運行の単価が高く、走行距離も長い。だから手当が積み上がります。

地場配送は、毎日決まったルートを回るぶん、収入も安定しますが、大きくは伸びにくいです。

ただし、これには続きがあります。

【重要】収入差は「拘束時間の差」でもあります

ここが一番お伝えしたいところです。

長距離が稼げるのは、単に「長く拘束されているから」という側面があります。

時給に換算すると、差はぐっと縮まることがあります。「月8万円多い」としても、拘束時間が月80時間多ければ、時給は変わりません。

求人を見るときは、「月給」だけでなく「1日の拘束時間」もセットで見てください。

生活はどう変わるか

地場配送の生活

長距離の生活

正直に書きますが、長距離で体を壊す方は珍しくありません。睡眠の質、食生活、運動不足。40代以降は特に効いてきます。

逆に、「一人の時間が好き」「人間関係が煩わしい」という方には、長距離は天職になることもあります。実際、長距離が好きで20年続けている方もいます。

採用する側から見た「向いている人」

地場配送が向いている人

長距離が向いている人

私が未経験の方に勧めるのは、まず地場配送です。

理由は、「自分に運送業が合っているか」を、生活を壊さずに確かめられるからです。地場で1〜2年やってから長距離に移ることは普通にできます。逆は、体を壊してからでは遅い。

現場から

長距離から地場に移ってきた人が、言ったこと

うちは地場配送の会社です。だから、長距離をやっていた方が移ってくることがあります。

その方に「地場はどうですか」と聞いたとき、返ってきた言葉が忘れられません。

「その日でやりきりで終わるので、普通に生活できる」

"普通に生活できる"——この一言に、全部が詰まっていると思いました。

朝起きて、仕事に行って、夜は家で寝る。土日に予定が入れられる。家族と同じ食卓につける。当たり前のようでいて、長距離だとそれが難しいんです。

収入は下がったはずです。それでも、その方は今も続けてくれています。

お金と生活、どちらを取るか。正解はありませんが、この言葉は覚えておいてほしいと思っています。

見落とされがちな「第3の選択肢」

実は、長距離か地場かの2択ではありません。

ルート配送

決まった取引先を毎日同じ順番で回る仕事。ルートを覚えれば負担が減り、担当者とも顔なじみになります。安定志向の方に人気です。

中距離

日帰りできる範囲で、地場より単価が高い。収入と生活のバランスが取りやすいので、意外とおすすめです。

専属便

特定の荷主専属で動く仕事。仕事量が読みやすい反面、その荷主に依存するリスクもあります。

面接で必ず聞くべきこと

働き方について確認すること

  • 1日の平均拘束時間はどれくらいですか?
  • 週に何日、家に帰れますか?(長距離の場合)
  • 積み降ろしは手作業ですか、フォークですか?
  • 待機時間は給料に入りますか?
  • ルートは固定ですか、日によって変わりますか?

特に「積み降ろしが手作業かどうか」は、長距離・地場どちらでも体への負担を大きく左右します。必ず聞いてください。

現場から

正直に書きます。うちは基本、手作業です

「手作業かフォークか聞け」と書いておいて、自分のところを隠すのはフェアではないので、正直に書きます。

うちは基本的に手作業です。フォークリフトを使う場面もありますし、カゴ台車での作業もありますが、人力で積み降ろしする仕事が中心です。

これを聞いて「じゃあきついのか」と思われるかもしれません。実際、ラクではありません。

でも、ここでお伝えしたいのは「手作業=悪い会社」ではないということです。大事なのは——

  • どれくらいの重さのものを、1日に何回扱うのか
  • その分の手当がついているか
  • 一人でやるのか、複数人でやるのか

ここまで具体的に聞いて、納得できるなら問題ありません。

逆に、「手作業はほとんどありません」と曖昧に濁す会社の方が、入ってから話が違うとなりやすいです。正直に「手作業です」と言う会社の方が、私は信用できると思っています。

結論:収入だけで決めないでください

私が言いたいのは、これだけです。

求人票の金額だけを見て長距離を選び、半年で体を壊して辞める——このパターンを何度も見てきました。会社にとっても、本人にとっても不幸です。

大事なのは、「その働き方を、5年10年続けられるか」です。

ここを考えてから決めれば、まず後悔しません。

働き方で求人を絞るには

「地場配送だけ見たい」「日帰りだけがいい」——こういう絞り込みは、一般の求人サイトだと難しいことが多いです。

地場配送・日帰りの求人を探す

トラックマンジョブで求人を探す ココカラ・ドライバーで探す ドラEVERで探す ※3社とも登録・利用は無料です。記事でも書いたとおり、最低3社は条件を比べてから決めることをおすすめします。

まとめ

選ぶときの判断基準

  • 長距離は稼げる。ただし拘束時間も長い
  • 時給に換算すると、差は縮まることがある
  • 未経験・40代以降は、まず地場配送から
  • 中距離・ルート配送という選択肢もある
  • 「5年10年続けられるか」で判断する
  • 積み降ろしが手作業かは必ず確認

どちらが正解ということはありません。あなたの生活に合う方が正解です。

焦らず選んでください。同じ業界の人間として、応援しています。

※本記事は筆者の経営者としての経験に基づく個人的見解です。労働条件・働き方は企業や地域により大きく異なります。実際の条件は必ず各企業にご確認ください。健康面の判断については医師にご相談ください。