3トン車と4トン車の違い|必要な免許と「総重量で乗れない」落とし穴を社長が解説
※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。車両の仕様・必要な免許は車種により異なります。
地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。
「トラック運転手になろう」と思ったとき、意外と分からないのがこれだと思います。
そもそも、自分はどのくらいの大きさのトラックに乗ることになるのか。
そして——自分の免許で、そのトラックに乗れるのか。
ここは正直に書きます。うちの会社が実際に持っている21台を、全部お見せします。
まず、うちの保有台数を公開します
3トン車18台・4トン車3台・大型は0台です
うちの車両構成は、こうなっています。
- 3トン車:18台
- 4トン車:3台
- 大型車:0台
ドライバー20名の会社で、この構成です。
そして未経験で入ってきた方は、まず3トン車から慣れていただきます。いきなり4トン車に乗せることはありません。
【最初に知ってほしい】トラック運転手=大型ではありません
ここ、かなり誤解されていると感じます。
「トラック運転手」と聞くと、多くの方が高速道路を走る大型トラックを思い浮かべると思います。夜通し走って、長距離を運ぶイメージです。
でも、うちには大型が1台もありません。それでも20人が食べていけています。
世の中の運送の多くは、こういう小さめのトラックが、地域の中を回ることで成り立っています。「大型免許がないから無理だ」と諦める必要は、まったくありません。
長距離と地場の違いについては、長距離と地場配送、どちらを選ぶべきかに詳しく書きました。
3トン車の現場は、こうです
細かい積み降ろしが多く、必然的に件数が増えます
3トン車の特徴は、1件ずつの荷物が細かいことです。
細かい積み降ろしが多いので、必然的に回る件数が多くなります。
「件数が多い=大変そう」と思われるかもしれません。でも、実際は逆の面もあります。
3トン車は、自分のペースで回れるんです。
だから、テキパキやる人は早く終われることが多いです。段取りが良い人ほど、早く帰れる。ここが3トン車の一番のメリットだと思います。
4トン車の現場は、まったく違います
1社降ろしとセンター納品が多く、拘束時間が長くなりがちです
4トン車は、3トン車とは仕事の性質が違います。
- 1社にまとめて降ろすことが多い
- センター納品が多い
件数だけ見れば、4トン車の方が少ないです。「じゃあラクじゃないか」と思いますよね。
ところが——拘束時間は、4トン車の方が長くなりがちです。
センター納品は、こちらの都合では動けません。指定された時間に着いて、順番を待って、降ろす。待たされる時間があるんです。
自分がどれだけテキパキ動いても、短縮できない時間がある。ここが3トン車との決定的な違いです。
「件数が少ない=ラク」ではありません
これは1日の流れの記事にも書きましたが、大事なことなのでもう一度書きます。
件数の少なさと、ラクさは、まったく比例しません。
ここを混同しないでください
- 件数が多い=1件あたりが軽い。自分のペースで進められる
- 件数が少ない=1件が重い。待ち時間があり、拘束時間が読めない
給料は、どれくらい違うのか
ここが一番気になるところだと思います。正直に書きます。
4トン車の方が、月3〜4万円多い感覚です
うちの場合、4トン車に乗っている方の方が、月に3万円から4万円は多いという感覚です。
年間にすると、36万円から48万円の差になります。決して小さくない金額です。
ただし——これはタダでもらえるお金ではありません。拘束時間が長くなる分が、そこに乗っています。
「時給に直したらどうか」で見ると、実は差が縮まることもあります。
給料の中身がどうなっているのかは、トラック運転手の給料のカラクリに詳しく書きました。求人票の金額をそのまま信じないでください。
実際、社員はどう思っているのか
「稼げるなら4トンに乗りたい」という人はいます
うちには大型がないので、社内で一番上は4トン車になります。
そして「稼げるなら、3トンより4トンに乗りたい」と言う方は、実際にいます。
一方で、3トン車のまま続けている方もたくさんいます。早く帰れることを選んでいるわけです。
どちらが正解ということはありません。お金を取るか、時間を取るか——それだけの話です。
結論:どちらを選ぶべきか
3トン車が向いている人
- 早く帰りたい/家族との時間を優先したい
- 自分のペースで段取りよく動くのが好き
- 待たされるのが苦手
- まず未経験からトラックに慣れたい
4トン車が向いている人
- 月3〜4万円の差は大きい/とにかく稼ぎたい
- 細かい配送を何件も回るより、まとめて降ろす方がいい
- 待ち時間があっても気にならない
大型については、正直に「分かりません」と書きます
ここは誠実に書いておきます。
うちには大型車が1台もありません。ですから、大型ドライバーの実際の働き方や給料について、私が経験として語れることはありません。
ネットには「大型なら月50万」といった記事がたくさんあります。それが本当かどうか、私には確かめようがない。だから、この記事では書きません。
知ったかぶりで書いた情報で、誰かの人生の判断を狂わせたくないからです。
【最重要】あなたの免許で、そのトラックに乗れますか
ここからが、この記事で一番お伝えしたいところです。
実は——「トラック運転手になろう」と思っても、今持っている免許では乗れないことがあります。
まず、うちの車に必要な免許
3トン車は準中型、4トン車は中型が必要です
うちの車で言うと、こうなります。
- 3トン車 → 準中型免許
- 4トン車 → 中型免許
つまりうちの会社は、普通免許だけでは1台も動かせません。
「未経験歓迎」と書いてある会社でも、こういうことは普通にあります。
免許の早見表(取得した時期で変わります)
ややこしいのですが、同じ「普通免許」でも、取った時期によって乗れる大きさが違います。
普通免許を取った時期で見てください
- 2007年6月1日までに取得 → 「中型8t限定」扱い(車両総重量8t未満まで)
- 2007年6月2日〜2017年3月11日に取得 → 「準中型5t限定」扱い(車両総重量5t未満まで)
- 2017年3月12日以降に取得 → 普通免許(車両総重量3.5t未満まで)
そして、上位の免許はこうです。
免許の区分
- 準中型免許:車両総重量7.5t未満・最大積載量4.5t未満(18歳から取得可)
- 中型免許:車両総重量11t未満・最大積載量6.5t未満(原則20歳以上・免許経歴2年以上)
- 大型免許:それ以上(原則21歳以上・免許経歴3年以上)
【落とし穴】「準中型だから3トン車に乗れる」とは限りません
ここが、ネットの記事でほとんど書かれていない部分です。
車両総重量によっては、3トン車でも乗れません
「3トン車=準中型でOK」と書いてある記事をよく見ます。これは、正確ではありません。
免許で決まっているのは「積める重さ」ではなく「車両総重量」だからです。
車両総重量とは——車体そのものの重さ+荷物+乗る人を全部足したものです。
だから、同じ「3トン積み」の車でも、荷台の造り(箱車か、平ボディか、冷凍機が付いているか)によって、総重量が変わります。
とくに要注意なのが「準中型5t限定」の方です。2007年6月2日〜2017年3月11日に普通免許を取った方が、これにあたります。
この免許は車両総重量5t未満まで。3トン積みの車は総重量が5tを超えることが多いので、「3トン車なのに乗れない」ということが実際に起こります。
だから、面接で必ずこう聞いてください
- 「乗る車の車両総重量は何トンですか?」
- 「私の免許(○年取得)で、その車に乗れますか?」
- 「乗れない場合、免許取得の支援はありますか?」
「3トン車です」という説明だけで安心しないでください。入社してから「乗れる車がない」となったら、お互いに不幸です。
※車両総重量は車検証に記載されています。会社に確認すれば必ず教えてもらえます。免許で運転できる範囲は法令で定められているため、最終的にはご自身の免許証と車検証で確認してください。
若い人が入ってこない、本当の理由
2017年以降に免許を取った方は、今のところ応募に来ていません
正直に書きます。
2017年3月12日以降に普通免許を取った若い方は、うちには今のところ来ていません。
理由は単純だと思います。その免許では、うちの車に1台も乗れないからです。
昔は、普通免許さえあれば4トン車に乗れました。だから若い人が「とりあえず入ってみる」ことができたんです。
今は、まず準中型を取らないと、入口にすら立てない。業界の高齢化は「きついから」だけが理由ではないと、私は思っています。
この話はトラック運転手はきついのかでも触れました。免許制度の変更は、それくらい大きな影響を業界に与えています。
まとめ
この記事の要点
- うちは3トン車18台・4トン車3台・大型0台。未経験は3トン車から
- 3トン車=件数は多いが、自分のペースで早く終われる
- 4トン車=1社降ろし・センター納品で、拘束時間が長くなりがち
- 給料は4トン車の方が月3〜4万円多い。ただし拘束時間の分が乗っている
- 「件数が少ない=ラク」ではない
- うちの3トン車は準中型、4トン車は中型が必要。普通免許では1台も動かせない
- 車両総重量によっては「3トン車なのに乗れない」ことがある
- 面接では「車両総重量」と「自分の免許で乗れるか」を必ず確認する
大きさの違いは、単に「車がデカいか小さいか」ではありません。働き方そのものが変わります。
早く帰りたいのか、稼ぎたいのか。そこを決めてから求人を見ると、選ぶ基準がはっきりします。
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良い求人ほど、「4t平ボディ」「3tウイング」のように車格と車種まで具体的に書かれています。
逆に「トラック運転手募集」としか書いていない求人は、中身が見えません。入ってから「聞いていた話と違う」となりやすいところです。
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- 複数のサイトに登録しておく(掲載企業が違うので、比較できます)
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