女性のトラック運転手は、うちに一人もいません|応募もゼロ。その理由と、探すべき会社の条件
※記載内容は筆者個人の経験に基づく見解です。会社により事情は大きく異なります。
地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。
このサイトを26本書いてきて、一度も触れていない話がありました。
女性のトラック運転手です。
正直に書きます。気持ちのいい話にはなりません。でも、都合の悪いことを書かないなら、このサイトの意味がありません。
まず、事実から
女性ドライバーは、一人もいません
うちに女性のドライバーは一人もいません。
そして——過去にいたこともありません。
さらに言うと、女性から応募が来たこともありません。一度もです。
ゼロです。採用しなかったのではなく、応募が来ていません。
これが、地方の一般貨物・20名規模の運送会社の実際です。
なぜ、応募すら来ないのか
ここから先が、この記事の本題です。
理由は、はっきりしています。
ここまで読んで、「実際の求人はどうなっているんだろう」と思われたら——
先に求人を1つ2つ見ておくと、この続きが具体的に読めます。
【本題】うちの仕事は、手積みだからです
正直なところ、厳しいと思います
うちの積み降ろしは、基本的に手作業です(この仕事はきついのか)。
食品の冷蔵商品やお酒を、手で積んで、手で降ろす。1日に2件から20件回ります。
これを女性がやれるか——正直なところ、厳しいと思います。
差別のつもりで言っているのではありません。うちの現場が、そういう現場だということです。
そして、これは気持ちの問題だけではありません
調べてみて、私自身も改めて確認したことがあります。
法律で、女性が扱える重量に上限があります。
| 年齢 | 断続作業 | 継続作業 |
|---|---|---|
| 満18歳以上 | 30kg以上は禁止 | 20kg以上は禁止 |
| 満16〜18歳未満 | 25kg以上は禁止 | 15kg以上は禁止 |
※労働基準法第64条の3、女性労働基準規則第2条。妊産婦だけでなく、すべての女性に適用されます。出典:厚生労働省・都道府県労働局の資料より。詳細は所轄の労働基準監督署にご確認ください。
これが意味すること
- これは「女性には無理」という話ではありません
- 働く人を守るための決まりです
- そして会社が守らなければいけない義務です
- つまり重い荷物を手積みする現場には、そもそも就かせられません
ここが大事なところです。
「女性はきついから無理」ではなく、「会社の側が、法律上そういう仕事をさせられない」のです。
だから、手積み中心のうちのような会社には、女性の求人がそもそも出しにくい。応募が来ないのも、当然かもしれません。
【重要】だから、探すべき会社の条件が決まります
ここからは、この記事で一番お伝えしたいところです。
今の話をひっくり返すと、答えが出ます。
「積み降ろしが機械」の会社を探してください
問題は運転ではありません。積み降ろしです。
だとすれば——積み降ろしが手作業でない会社を選べばいいということになります。
そういう会社は、実際にあります
私は求人票を41件調べた記事で、積み降ろしの書き方を分類しました。
| どう書いてあったか | 件数 |
|---|---|
| 機械・リフト・台車・パレット中心 | 9件 |
| 手積み・手作業と明記 | 9件 |
半分は、機械・台車・パレット中心でした。
実際にあった書き方を並べます。
こういう求人票を探してください
- 「手積み手卸しナシ」
- 「積み下ろしは基本フォークリフトを利用」
- 「重量物の積み下ろしは機械を使用する」
- 「台車を用いた運搬を行います」
- 「パレット輸送」「カゴ車」
逆に、この書き方は覚悟が要ります
- 「手積み」
- 「手積み・手降ろし」
- 「原則手で積み下ろし作業」
求人票で分かります。そして別の記事に書いたとおり、積み降ろしは69%の求人票が書いています。お金の話より、ずっと書いてあります。
ここまで読んで、「実際の求人はどうなっているんだろう」と思われたら——
先に求人を1つ2つ見ておくと、この続きが具体的に読めます。
面接で、必ず聞いてください
求人票に書いていないこともあります。だから聞いてください。
女性が聞くべきこと
- 「一番重い荷物は何キロですか?」
- 「積み降ろしは、機械ですか、手作業ですか?」
- 「女性のドライバーはいますか?」
- 「(いない場合)受け入れる準備はありますか?」
- 「トイレや着替えは、どうなっていますか?」
1つ目が一番大事です。20kgを超える荷物を継続的に扱う仕事なら、法律上そもそも就けません。
そして3つ目と4つ目。うちのように「いない」会社は多いはずです。「いない」ことより「どう答えるか」を見てください。
【本音】もし応募が来たら、どう思うか
最後に、正直なところを書きます。
ここまで「厳しい」と書いてきました。では、実際に女性から応募が来たらどう思うか。
検討はすると思います
断るとは思いません。検討はすると思います。
理由は2つあります。
- 運転が丁寧な方が多い——これは実感として、そう思っています
- 貴重な人材だと思う——応募が来ること自体が、めったにないので
そのうえで、どのコースなら任せられるかを考えると思います。
ここに、可能性があります
うちにはいろいろなコースがあります。手積みが多いコースもあれば、そうでないコースもあります。
実際、別の記事に書いた「自動車工場から来た方」も、その人に合うコースだったから続いています。
だから、こう伝えたいです
- 「女性は無理」と言っている会社ばかりではありません
- ただ受け入れた経験がないだけの会社が多いです
- だから聞いてみる価値はあります
- 会社側もコースによっては考えます
応募がゼロだから、会社は考える機会もない。これが正直なところです。
まとめ
20名を雇う会社の、正直な話
- ★うちに女性ドライバーはゼロ。過去にもいません
- ★女性からの応募も、一度も来たことがありません
- 理由は手積みの現場だから。正直、厳しいと思います
- ★そして法律で重量の上限があります(継続20kg・断続30kg以上は禁止)
- ★これは「女性には無理」ではなく「会社が就かせてはいけない」という決まりです
- ★だから探すべきは「積み降ろしが機械・台車・パレット」の会社
- 調べた求人票でも、半分はそういう会社でした
- 面接では「一番重い荷物は何キロですか」を必ず聞く
- ★もし応募が来たら、検討はします。運転が丁寧な方が多いと思っているので
この記事は、書いていて気持ちのいい内容ではありませんでした。
「うちには女性がいません」と書くのは、正直きまりが悪いです。
でも——いない理由がはっきりしているなら、それを書いたほうが役に立つと思いました。
理由が「手積みだから」なら、手積みでない会社を探せばいい。それだけの話です。
運転そのものに、性別は関係ありません。問題はいつも、荷物の方です。