派遣ドライバーから社員になった人に聞きました|決め手は、給料ではありませんでした
※本人の同意を得て掲載しています。氏名・年齢・前職の会社名は記載していません。1人の体験であり、会社や派遣会社によって条件は大きく異なります。
地方でトラック運送会社を経営しています。ドライバーを20名ほど雇っています。
うちには、派遣で来て、そのあと社員になった方がいます。
今回はその方に、直接聞きました。「派遣ドライバー」の話は、あまり書かれていません。書かれていても、だいたい派遣会社が書いたものです。
だから、本人の言葉をそのまま載せます。
先に、一番大事なところを書きます
「いつでも戻ってきていいですよ」と言われて、社員になりました
社員になった決め手は、給料ではありませんでした。
派遣で働いている途中、この方は体調を崩して休むことになりました。
そのとき、うちが返した言葉が決め手だったそうです。
「迷惑をかけたのに、気遣ってくれて。いつでも戻ってきていいですよと言われて、いい会社だと思いました」
この話は、あとで詳しく書きます。先に、派遣で働き始めたところから順に聞いていきます。
まず、なぜ派遣だったのか
「すぐに現金が必要で、働いた分の半分を先にもらえたから」
これが、本人の答えでした。
正社員が決まらなかったから、ではありません。理由は、はっきりしていました。
ここは、雇う側として書いておきたいところです。
派遣を選ぶ人には、「今すぐお金がいる」という事情があることがあります。月末の給料日まで待てない。その一点で、選択肢が決まってしまう。
正社員の求人がどれだけ良くても、初任給が出るのは早くて1ヶ月後です。そこまで持たない人にとって、それは選べる選択肢ではありません。
派遣は、どうやって始まるのか
派遣会社の人と一緒に、面接に行きました
「すぐに人が必要とされている会社に、派遣会社の方と面接に行きました」
仕事の中身は、今と同じ配送です。
派遣として働いたのは、6ヶ月でした。
ここが、直接応募との一番の違いだと思います。一人で面接に行くのではありません。派遣会社の担当者が一緒に来ます。
ここまで読んで、「実際の求人はどうなっているんだろう」と思われたら
先に求人を1つ2つ見ておくと、この続きが具体的に読めます。
派遣で、良かったところ
「先に現金がもらえるところです」
良かった点を聞くと、答えは1つでした。
「先に現金支給のところです」
選んだ理由と、同じでした。そこが必要だったから派遣を選び、そこは期待どおりだったということです。
【本題】嫌だったのは、派遣先ではありませんでした
ここが、この記事で一番お伝えしたいところです。
「ほっておかれることが多くて、頼りにならない」
嫌だったこと、不安だったことを聞きました。
返ってきたのは、働いている現場の話ではありませんでした。派遣会社(派遣元)についての話でした。
働く現場ではなく、自分を送り出した側に不満があった。ここは、私も聞いて意外でした。
派遣で働くとき、多くの人は「派遣先が当たりかハズレか」を心配すると思います。でもこの方が挙げたのは、そこではありませんでした。
だから、派遣を考えているなら
- 派遣先の条件だけでなく、派遣会社の担当者がどれだけ動くかを見てください
- 困ったときに連絡がつくか、間に入ってくれるか
- ここは契約書には書かれていません。実際に働き始めてから分かります
社員になろうと思ったきっかけ
冒頭に書いた話です。ここを詳しく書きます。
体調を崩して休んだときの、会社の対応でした
派遣で働いている途中、この方は体調を崩して休むことになりました。
本人は「迷惑をかけた」と思っていたそうです。
「そのときの対応も私に気遣ってくれて、いつでも戻ってきていいですよと言われて、いい会社だと思いました」
「やはり、自分が病気をしたときの会社の対応で、ここで働きたいと思いました」
正直に書きますが、私としては特別なことをしたつもりはありません。
ただ、派遣の方が休んだときにどう扱うかは、会社によってはっきり分かれると思います。代わりの人を出してもらって終わり、という考え方もあります。
会社の何を見て、決めたのか
「仕事内容はもちろんですが、経営者の人柄は大事ですね」
社員になる決め手を聞いたときの答えです。
仕事の中身は当然として、そこに経営者の人柄を並べてきました。
これは、雇う側が自分で言うと嫌味になる話です。だから本人の言葉としてだけ、置いておきます。
ただ一つだけ言えるのは、人柄は求人票に書けないということです。見るなら、面接で会ったときしかありません。
社員になって、実際に変わったこと
「結構上がりました」
収入について聞いたときの答えが、これです。
金額は本人の希望で書きません。ただ、上がったことは事実です。
ここは会社によって違います。派遣のほうが時給換算では高い、というケースもあります。給料のカラクリに書いたとおり、ドライバーの収入は基本給だけでは決まりません。
想像と違ったこと
「派遣のときと、扱いが全く変わりませんでした」
良い方向で違ったことを聞きました。
「この会社はかもしれませんが、いい意味で派遣のときと直接雇用のときとで、扱いが全く変わりませんでした」
「『派遣だから』という感じは、まったくなかったです」
逆に言えば、「派遣だから」という扱いをする会社があるということです。本人がわざわざこう言うということは、そういう話を知っているのだと思います。
これから派遣で働く方は、社員と派遣で扱いが違うかどうかを、最初の数日で見てみてください。
「派遣のままのほうが良かった」と思うことはあるか
この質問は、外さずに聞きました。都合の悪い答えが返ってくる可能性がある質問です。
「いえ、ありません」
答えは短いものでした。そして、こう続けました。
「何なら、最初からこの会社で働きたかったです」
ただし、この方はそこで話を終えませんでした。自分とは違う人のことを、続けて話しています。
「すぐに職を変わる方には、派遣はいいと思います」
「私はありませんが、同じ派遣社員の方は——」
「嫌ならすぐに辞められるし、何かあれば派遣元の責任になるので、すぐに職を変わる方にはいいと思います」
自分は社員になって良かった。でも、派遣が向いている人もいる。ここを自分から言える人の話だから、私は記事にしています。
今、迷っている人へ
「責任感の重さが、違うと思います」
派遣のまま続けるか、社員になるか。迷っている人に何と言うかを聞きました。
「それは分かりませんが、人によって変わります」
「ただ直接雇用になれば、私が思うに責任感の重さが違うと思うので、すぐに投げ出すことはできない立場になると思います」
「社員になれば安定します」とは言いませんでした。「投げ出せなくなる」と言っています。
これは、良いことだけの話ではありません。逃げ道が1つ減るということでもあります。そこを分かったうえで選ぶなら、後悔しにくいと思います。
向いていない人
挙がったのは、この2つでした
「運転が苦手で、重い荷物を持つこともあるので、体を動かすのが嫌いな人」
うちは基本、手積み手降ろしです。きつい部分は正直に書いています。ここが嫌なら、派遣でも社員でも同じです。
雇っている側から、正直に
私は、この方を雇っている立場です
聞き取りをしたのは、この方を雇っている私です。
だから、会社に都合の悪いことは言いにくかったはずです。そこは差し引いて読んでください。
そのうえで、この方は「派遣が向いている人もいる」と自分から言っています。
それに、このサイトは転職サービスを紹介して収入を得ています。「社員になりましょう」と言ったほうが、私には得です。
それでも、派遣のままでいい人がいるという話を、本人が言ってくれました。そうでなければ、この記事は載せていません。
まとめ
派遣から社員になった人に聞いて分かったこと
- 派遣で働いたのは6ヶ月。そのあと社員になった
- 派遣を選んだ理由は「働いた分の半分を先にもらえるから」。正社員が決まらなかったからではない
- 良かった点も、そこだった
- 嫌だったのは派遣先ではなく、派遣元の対応だった
- 社員になった決め手は給料ではなく、体調を崩して休んだときの会社の対応
- 「仕事内容はもちろんですが、経営者の人柄は大事ですね」
- 収入は「結構上がりました」
- 派遣のときと社員になってからで、扱いは変わらなかった
- 「派遣のままが良かった」と思うことはない。ただし派遣が向く人もいる
- 直接雇用は「責任感の重さが違う。すぐに投げ出せない立場になる」
この方が社員になったきっかけは、条件の比較ではありませんでした。
自分が一番弱ったときに、会社が何と言ったか。それだけです。
求人票を何枚見比べても、そこは書いてありません。だから、面接で会ったときに見るしかないのだと思います。